先日マーケットに出店していた時に、お客さんから「ビィーガンのものはありますか?」と聞かれたので商品説明をしました。
その方はひととおり商品をみて、何も買わずにお店を後にされました。
タルトやマフィンが欲しかったのかな?
と思いながら、他の方の接客に入りました。
そのマーケットから数日が経ってふとその時の事を思い出したんですよね。
「そういえば、私、傷ついていない」
昔だったらきっと、お客さんのその行動に少なからずショックを受け傷ついていたように思うんですけど、今回、私、傷ついてないんです。
なんでなんだろう???
昔と何が違うんだろう???
そう思って、心の奥を探ってみると、
ひとつわかったのが
前ほど、“ビィーガン=良いもの”と思っていない自分に気づきました。
私が作り始めたおやつは、
消化に時間のかかるバターなどの動物性食品は、子どもには、多くは必要ない。
その考えのもとにあります。
作りはじめて間もなく、ちょうどビィーガンが流行りはじめていた頃と重なり、
売れゆきもその方がいいので、キセツノネイロのおやつをビィーガンおやつと言っていた事もあります。
始まりはビィーガンを意識していないけど結果的にビィーガンなおやつを作っている。
そう思っていたある日、ビィーガンの人たちが集まる会があると知って、自分はこのままビィーガンで進んでいいのか迷っていたので、その集まりに参加することにしました。
その集まりに参加してわかったことは、
私はビィーガンを望んでいないということ。
たまたまその会がそうだっただけかもしれないんですけど、思考に偏りを感じてしまって、
それは、小麦はだめだという思考とちょっと似ているなと思ったんです。
私自身、小麦で手が荒れて、食べると胸も苦しくなって、小麦はもうだめかも…。と思った時がありますが、“全ての小麦が悪いわけじゃない” その想いに突き動かされて、今使用している小麦に出会ったという経験があります。
他にも、卵アレルギーの私は平飼い卵に変えてから、アレルギーがあまりでなくなった。という経験もしています。
全ての動物性商品が悪いとされるのは、
私はやっぱり悲しくて、大切に育てられたものもあるのにな…
という所に、私の考えは最終的に着地するんです。
確かに、命ある動物を、まるで生産性をあげるためだけの道具のようにあつかっている業者もあって、それはそれはひどいものです。
知ってしまったら、口にすることはできないし、そういう畜産工場は応援したくないので買わない事で意思表示をしています。
だけど、思考の偏りは
時に、排除ということになりかねない。
必要ないもの、必要ない人は排除
これってちょっと怖いなと思います。
…
…
話がちょっとそれたので戻しますね。
昔の私は、とにかく自信がなくて
人からの評価で自分ができているといっても過言ではないくらい、そのくらい自分というものを持っていなかったです。
なので、
卵使ってるの?
小麦使ってるの?
えー!ベーキングパウダー使ってるの?
という言葉に
怯えていたんです。
私には私なりに使う理由があった。
だけどそれを言うことができずに
自分のやってることに自信が持てずに
世の中的に(今思えばごく一部の人たちの世界だったけど)身体に悪いとされているものを使っていることに
自分はだめなんだ
っていう思いが凄かったし、認められない事に傷ついたりもした。
転機となったのは
尊敬している生産者さん2人との会話。
一人は、「古代小麦でパンを焼く。
古代小麦の風味を最大限生かすためには、イーストがよかった。酵母ではなかった。」と言った。(小麦の生産者さん)
もう一人は、「在来種が良いとされてるけど、じゃあその在来種がどの土地でも作れるかというとそうじゃない。合う合わないがあるからね。在来種にこだわるより、おいしい野菜を作りたい。だからF1品種を使うこともあるよ。」(ミネラル野菜の生産者さん)
その2人の言葉にハッとした。
自分の中のもやもやが全部晴れたような、そんな気持ちになった。
それ以来、
私の、私なりの材料選びについて
少しずつだけど、自分の中で揺らぎないものへとなっていって、
人にきちんと説明できるようにもなっていった。
ビィーガンを選ぶ。
それはその人の自由。
ビィーガンを選ばない。
それも自由。
いま、私は私がやっていることに信念を持ってる。
だから、
ビィーガンじゃないとだめ
良いものを使っていないとだめ
みんなにいいって言ってもらえないとだめ
そんな自分を責める思考から抜け出すことができたし
卵使ってるの?
小麦使ってるの?
えーベーキングパウダー使ってるの?
の質問にも怯えず答えられる自信がある。
それらの言葉は、その人たちが選びたいものと違うということを私に教えるものであって、私を否定するものではないし、
私には私なりの考えがきちんとある。
それが、今回私が傷つかなかった理由。
長くなりましたね。
勢いで書いたからあんまりまとまってないかもしれませんが、最後まで読んでくださりありがとうございます。
そして今回、自分の心を探っていくきっかけをくれた方には感謝しています。ありがとうございました。